164top-face3かくた・みつよ/作家。
1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年「幸福な遊戯」でデビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞、07年『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年『ツリーハウス』で伊藤整文学賞、12年には『かなたの子』で泉鏡花文学賞及び『紙の月』で柴田錬三郎賞を、14年『私の中の彼女』で河合隼雄物語賞を受賞。

第1回「連載1000本ノックで鍛えたもの」


今回のゲストは『紙の月』『八日目の蝉』などの代表作を持つ作家の角田光代さん。彼女が作家を目指した経緯や、常に多くの連載を抱えていた彼女が、連載をすべて断るようになったわけとは?
今月の『BRAND NEW COSMOPOLITAN』からは、イギリス・ロンドンの料理研究家、エリオットゆかりさんと早川洋平の対談音声の一部をお送りいたします。

第2回「小説の中の虚構と真実」


小学校一年生のときに、ある本に出会ったことで、作家になることを意識したという角田さん。「これがなかったら今の角田光代はない」というターニングポイントについて伺いました。また、これまで体験したことのないことをリアルに書くために心がけていることも。
「教えて早川さん」のコーナーでは「コミュニケーション能力が低い人から本音を聞き出すには?」という質問にお答えします。

第3回「仕事は人が生きていくための道理」


もう働かなくていいくらいの大金が手に入ったとしても、それでも仕事を続けたいという角田光代さん。彼女にとっての「仕事」とは何でしょうか。趣味のトレイルランや、旅の達人である角田さんの旅の楽しみ方についても伺いました。
「ヨイコトヨイモノ」のコーナーでは、早川洋平おすすめのビジネス書をご紹介します。

第4回「正義の氾濫」


角田さんは、東日本大震災のあった3.11以降、「良いこと、正しいことは書かない。絶対にくだらないことしか書かない」と心に決めました。SNS上で「正義の氾濫」が起こったからだそうです。その当時のことを話していただきました。
「教えて早川さん」のコーナーでは「独立後の人とのつながりについて普段感じていること」という質問にお答えします。

耳のつけどころ

1990年に『幸福な遊戯』でデビューしたのを皮切りに、96年『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年『対岸の彼女』で直木賞など、数々の賞を受賞されています。

昨年まで、角田さんは常に20本から25本の連載を抱えて、一日の12時間を執筆に費やしていたそうです。ですが、今はあえて「連載を入れないようにしている」とのこと。その理由を伺うと意外な答えが返ってきました。

「そもそも、どうしてたくさん連載を入れたかというと、『書くために必要な筋肉』があって、それを鍛えるためにはものすごい量の小説を書かないとだめだと思ったんです。私は『小説1000本ノック』と呼んでいたんですけど、読む、書く、読む、書くというのを、ある時期、大量に自分に課さないとだめだと思っていました。それはやっぱり、小説を書くのがうまくなりたいと思ったからです。4、5年たってみると、その筋肉はできていました。だから、次はもっと違う筋肉、『長いスパンでじっくり取り組む』という筋肉を鍛えることを始めたんです」

そう言ってほほえむ角田さん。
作家というと、肉体労働とはかけ離れた優雅なイメージがありますが、角田さんのストイックさはアスリートを連想させます。そういえば、同じ作家の石田衣良さんも、以前キクマガに出ていただいた時に、「作品の世界に入るには、知的な筋肉が必要」だとおっしゃっていました。アスリートが筋トレするように、彼らもまた脳に汗をかくようにして日々「知的な筋肉」を鍛えているのですね。

とても大変そうだなと思う一方で、角田さんが仕事について話す口ぶりは、どこか楽しげ。「たとえ働かなくてもいいくらい大金が手に入っても、ずっと小説を書き続けたい」とさえ口にします。角田さんにとって、「仕事」とは何でしょうか? その答えを紐解いていくと、大好きなことや仕事に向き合うためのヒントが見つかりました。

《今回の耳のつけどころ》
□締め切りに追われ多忙な日々から、自分のペースを取り戻すためにしたこと
□小説の中に「実体験」は入れない。その理由とは?
□「たくさん本が売れなくてもいい」というその真意とは?
□3.11以降に感じた、SNSでの違和感とその後の変化

角田光代さんの仕事場には、いたるところにすごい量の本があって、「本がすごく好きなんだな」ということが伝わってきます。よく「好きなことを仕事にするのは大変だから、趣味程度にしておくほうがいい」という人がいますが、僕は大好きなことに打ち込んでいる作家さんの仕事場を訪れるたびに、「いいなあ」と感じますし、僕もそういうふうになりたいなと感じます。

上記本編には載せきれなかったゲストとの秘蔵ショートトークは、キクマガオーディオメンバー(無料)に登録いただけるとお楽しみいただけます。

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