中村文則なかむら・ふみのり/小説家
1977年、愛知県生まれ。福島大学卒業。02年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞を受賞。05年『土の中の子供』で芥川賞を受賞。10年『掏摸』で大江健三郎賞を受賞。『掏摸』の英訳が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの2012年年間ベスト10小説、米アマゾンの月刊ベスト10小説に選ばれる。14年、ノワール小説に貢献した作家に贈られる米文学賞デイビッド・グディス賞を日本人で初めて受賞

第1回「フリーターから作家への転身」



今回のゲストは、『銃』で新人賞を受賞し、作家デビューした中村文則さん。人間嫌いの高校時代を経て、フリーターをしていたという中村さん。どん底の精神状態から作家としての活動を始めるにいたった経緯とは? 彼の作品が欧米でも受け入れられている理由についても迫ります。
今月の『BRAND NEW COSMOPOLITAN』からは、上海で、弁護士の向井蘭さんと、早川洋平の対談音声の一部をお送りいたします。

第2回「体験していないことをなぜ書けるのか?」


中村文則さんと言えば、人の暗部にスポットを当てた作品が多い方です。どうして体験していないことを書けるのでしょうか? 「小説家というのは対象に憑依して、その人になりきるという特殊能力」という言葉の意味とは?
「教えて早川さん」のコーナーでは「キクマガのインタビューの方法について」という質問にお答えします。

第3回「登場人物を救えなかったときに思うこと」


「何かにすがったり頼ったりしたことは小説以外にはない」という中村さん。小説家という職業に就いた人がやるべきことについて伺いました。また、作品の登場人物を「書きながら救えなかったとき」に何を思うのかについても、小説家ならではの感性で語ってくれました。
「ヨイコトヨイモノ」のコーナーでは、早川洋平おすすめのカメラをご紹介します。

第4回「作家として生き残れる人、そうでない人」


世の中には作家になれる人と、作家志望のまま、なかなか芽が出ない人がいます。両者を分けるものは何でしょうか? なかなか自分をさらけだす文章が書けない人が、ブレイクスルーする方法や、「中村さんが考えるすごい本」についても伺いました。
「教えて早川さん」のコーナーでは「Podcastを配信していて、良かったと思うことはなんですか?」という質問にお答えします。

批判をおそれずに自分をさらけだす

今回のゲストは、作家の中村文則さん。フリーターをしながら執筆を続け、2002年に『銃』で第34回新潮新人賞を受賞し、デビューしました。その後、『遮光』で第26回野間文芸新人賞を受賞、『土の中の子供』で第133回芥川賞などを受賞しています。

中村さんは、以前ご出演いただいた、角田光代さんからのご紹介です。推薦の理由は「面白くて、雰囲気と見た目が早川さんに似ている」ということ。彼と僕の写真を見比べていただければ「なんとなく似ているかも」とお思いになるかもしれません。僕も話していく中で、共通点や真逆のところが見えてきて面白かったです。

中村さんと言えば、人間の暗部にスポットを当てるような作品が印象的です。今の世の中に疑問を投げかけるような文章も巧みに織り交ぜられています。彼がどういう思いで発信されているのか聞いてみました。

「僕は、作家の役割について考えているんです。それは、発信すべきことをおそれずにやることだと思います。批判をおそれず、守りに入らず、言いたいことを言う義務というのを考えています。その自覚は大きくなっていますね。ちょっと青臭いことを言うと、やっぱり世界に言いたいことがあるんです。言いたいことを言うには勇気が必要でしょう。政治的なこととか、デリケートな部分というのは、言わないほうが得なんだけれども、こういう立場にいるんだからそれなりの覚悟をもってやる必要があると思っています。自分にできることがあり、それが発言であるなら、この世の中の仕組みを少しでもよくするために何かしたいなという感覚がありますね」

と中村さん。彼の話には、「批判をおそれずに自分をさらけだすためのヒント」が詰まっていました。SNSやブログ、本などを通して、何かを発信したいと考えている方にとっては、たくさんの気づきがあると思います。

《今回の耳のつけどころ》
□「人間嫌いでとにかく暗かった」という中村さんを救ったもの
□作家は「対象に憑依する特殊能力」を持つ
□自分をさらけだす文章の書き方のヒント
□作家になれる人、なれない人を分けるものとは?

番外編では中村さんの「書きたいという欲」がどこから出てくるかについて尋ねました。
上記本編には載せきれなかったゲストとの秘蔵ショートトークは、キクマガオーディオメンバー(無料)に登録いただけるとお楽しみいただけます。

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